■ 「乳幼児医療費助成制度」のお話 | 更新日: 2007/11/21(水) |
平成 18 年 10 月 1 日から乳幼児医療費助成制度が一部「改悪」されます。今まで大分県は 3 歳未満の子供の受診費用を全額負担してきました。全国的にも注目された画期的な制度でした。少子化と核家族化してきている最近の日本で、初めての子供を持ったご両親はなにかと不安がいっぱいです。そんな状況で気軽に病院に相談できる…しかも無料で、何回も。かかりつけの病院だけでは不安なご両親は違う病院を受診して診てもらう。以前は違う病院を転々としてまわることを「ドクターショッピング」と言い、悪いことだとされてきていました。最近は「セカンドオピニオン」と呼ばれ、納得がいくまで十分な医療を受ける権利を患者さんが持つようになり、大分県ではそれがあたりまえにできる環境にありました。もちろんそれが国や県の負担する医療費の増加につながるという弊害はあるわけですが…
今回の改正は「 3 歳未満の受診は 1 回 500 円負担を月 2 回までしていただく」ことだそうです。来年は「月 4 回まで負担」に増えます。すなわち、風邪引いて「坂ノ市こどもクリニック」を受診したけど治らない、他の病院でもう一度診てもらおうかとなるとそこでも 2 回までは 500 円ずつ支払わなければならないのです。そこでも治らなければ… 1000 円ずつ増えていくことになります。「改悪」でしょ?
3 歳以上は? 3 歳未満は月に 2 回までの負担ですが、 3 歳以上 6 歳未満までは月に 4 回まで負担となります。これは意外に「改善」なんです。例えば…@最近風邪を引かなくなった 4 歳の男の子が遊んでいる最中に肘が抜けた ( 肘内障という状態 ) ときに病院受診すると…初診料と整復手技料で 3000 円くらいかかります。ものの 1 分程度の診療で、肘を「チョイ」とひねるだけで治る。それが 500 円。A普通に風邪を引いたとき…今までは初診時 1000 円ちょっと。それが 500 円。それで治ればいいのですが、症状がちょっと残っているので 3 日後に処方されたお薬がなくなって再度受診したとします。そのときに再診料が 470 円だったとすると、 4 回目までは 500 円負担なので 500 円払わなければいけないかというと、この場合は 470 円でいいそうです。お得でしょ?
せめて 3 歳未満は現行通りで、 3~6 歳未満(就学前の子供たち)は新しい制度にしてくれればと、小児科から県に対して陳情してきましたが、結局 3 歳未満の子供たちに対する負担を止めることは出来ませんでした。いいこともあれば悪いこともある…できれば全ていいことであってほしかった。大分市ではこの通りなのですが、各市町村で対応が若干違うようです。窓口で支払った金額を役所に請求すれば全額返金されるところもあれば、最初から支払わなくてよい地域もあるようです。詳しいことは各医療機関にご相談ください。
マルコポーロ2006年9月より |
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